なぜ今の会社で働き続けるとまずいのか?

 ~ 目次 ~

第0章 中野究はどのように自由な暮らしを手に入れたのか?

第1章 東京工業大学での生活~研究者の道と就職への道~

第2章 なぜ今の会社で働き続けるとまずいのか? ←今ここです

第3章 中野究の地獄のサラリーマン時代

第4章 資本主義社会と情報発信ビジネスの世界

私は昔、常日頃から
「安定」を目指してきました。

大きな家を建てて、
年収は1000万くらいで、
課長か部長くらいになって、
かわいい子供が
一人か二人いて、
老後はのんびりと過ごして・・・

のような、多くの人が
思い描くような典型的な
「将来の理想像」です。

そのためにも、なるべく潰れにくい
安定した大手の会社に就職して、
安心できる生活を送りたい。

・・・と、そう思っていました。

そういった安定志向を一番にし、
さらにその頃学んでいた経済学や
行動心理学を活かすためには
どこに就職すれば良いのか?
と考えたところ、
私が出した結論は、

「マーケティングか
コンサルティングの会社に入ろう!」

でした。

いかに安定した会社、
つまり潰れない会社を考えながら、
自分が大学院時代に学んできたことを
活かせる会社はどこか・・・

それでいくと、大手の広告代理店か
コンサルティング会社、
この辺りです。

自己分析をまともにせずに出した、
「こういった会社が自分にとって
最も安泰だろう」という結論です。

(なんて浅はかだったんだ
当時の自分・・・)

でも、ちょうどこの頃から
時代は変わっていきます・・・

そう、大手企業の倒産や
終身雇用の崩壊、そして
格差社会の到来です。

名前をあえて出しませんが、
皆がこの会社は安泰だと思っていた
大手の会社が次々と
倒産していきました。

今まで日本人が慣れ親しんできた
安全神話の崩壊と、
「大手で働けば一生安泰」という
価値観が揺らぎ、

これからどのように
考えていけば良いのか、もはや何が
正しいのかが分からなくなってきた
時代に突入するわけです。

「昔、日本屈指の優良企業」
と言われた会社を見ると、
今や大赤字、なんて会社が
多いですよね。

最も安定と言われていた公務員
だって、甘い汁をすっているのは、
一部の天下りができる
上層部だけで、組織の末端の
人たちの待遇はどんどん
悪くなってきています。

しかし、よくよく考えてみると
大企業や、大きな組織がどんどん
ヤバくなってしまうのは、
考えてみたら当然の話なのです。

今や経済状況がもの凄いスピードで
変化している時代です。

そんな中、大企業みたいな
「1つの判断を決定するために
ハンコが5個以上必要な会社」が、
まともに対応できるわけがないのです。
(だから、Appleみたいな会社以外は
軒並み悲惨な状態になっています。)

じゃあ中小企業はどうかというと、
更に深刻な状況です。

中小企業って一体何を
しているのかと言うと、大体は
「大企業と下請けをつなぐ仕事」
です。

例を挙げるとこんな感じです。

下請け
  ↓ ⇒マージン
中小企業A
  ↓ ⇒マージン
中小企業B
  ↓ ⇒マージン
中小企業C
  ↓
大企業

ようは、中小企業Aが
下請けの会社を見つけて、

それを中小企業Bに紹介
(ここでAは中間マージンを取る)、

BはCに紹介
(ここでもマージンを取る)、

Cは一番上の企業に紹介
(ここでも・・・)。

・・・と、こんな感じです。

上の例では3つしか
書きませんでしたが、
実際はもっと多いです。
縦にも横にも。

そして、同じようなことをしている
中小企業はたくさんあるわけで、
それらの会社が一生懸命、
他のいろんな会社に
営業をかけにいくわけです。

自分の会社と契約してくれ!と。
仕事をくれ!と。

では一番上の大企業は色んな会社が
「私と契約してくれ!」と
言ってくる中、どうやって
選んでいるかというと、多くは
一番仲良くなったところです。

一時期よりはだいぶ減ったとはいえ、
今でも「接待」がなくならないのは、
こういった理由があるわけです。

いかに機嫌を取って、
契約を取るかという世界です。

少しでも機嫌を損ねたら
一瞬で契約は切られます。

別に1個会社が潰れたって、
他の会社は全く困りません。

なぜなら、いくらでも同じような
会社があるからです。
「あなたが死んでも
代わりはいるから」状態です。

つまり、言い方は悪いですが、
このような中小企業は社会的に
あまり存在価値が無いわけです。

存在価値が無いものは消えていくのが
自然の摂理なわけで、これからも
どんどん中小企業は
潰れていくことでしょう。

ちなみに、この構造は
中小企業に限らず、
すべてのビジネスにおいても
あてはまります。

よく、これからは
「二極化」「空洞化」の時代とか
言われていますが、ようするに今後は
インフラと個人だけが生き残って、
中小企業はどんどんと
消えていくのです。

※インフラというのは社会システムを
維持するために必要なもの

この背景には「グローバル化」
というものもあります。

今や国境を越えて、多くの人が
情報発信をする時代です。
物流の自由度もどんどん
上がってきています。

するとどうなるかというと、
「価値の平均化」です。

ソーシャルネットなども
発達した現代において、
皆が情報発信をして情報がものすごく
あふれかえっているため、もはや
秘匿性の高い情報なんてものは
存在しなくなったのです。

「秘匿性の高い情報を
 知れば稼げる時代」
は終わりました。

そんなものがあれば
一瞬で広まって飽和するからです。

あるいは、
もっと身近な例で言うと、

「労働者層の賃金が
どんどん下がっている」

というのを聞いたことが
あると思います。

この現象はなぜかというと、
中国やら、発展途上国の人たちの
ような賃金がめちゃめちゃ安い人達が
どんどん日本に来て働いているため、
労働力自体の価値がどんどん
下がってきているからです。

私も、昔ベトナムの方を外注として
雇っていたことがありました。

給料は日本人の5分の1くらいです。
それでも、喜んでやってくれます。

私の友人の経営者の多くは、
東南アジアの優秀な人を
どんどん雇っています。

彼らは文句も言わず、しかも日本人の
10分の1の給料で喜んで働きます。

なぜなら、平均的な日本人の
10分の1の給料でも、
彼らからしたら、現地の2倍~3倍の
給料をもらっている、
という現実があるからです。

・安い賃金で喜んで
 働いてくれる外国人

・高い賃金でも「安すぎる!」と
 不平不満をたれる日本人

経営者は、どちらを雇いたいかと
聞かれたら答えは明白ですよね。

「そんな考えでお前には
 愛国心がないのか」
とか言われそうですが、

大企業ですら赤字で
苦しんでいる状況では、
賃金が少しでも安い方を
雇うに決まっています。

言い方はきついかもしれませんが、
「労働者を守れ!」のような
運動をしたところで、
そんなの守っていたら
会社自体が潰れて全滅するんだから、
「無茶言うなよ」って話に
現実なっているのです。

つまり、
もう認めなくてはいけないのです。

労働力に価値なんてほとんど無い

ということに。

私の近所の駅の近くにあった
駐輪所は、昔は色んな人が
働いていたのに、今は無人です。

すべて自動で機械が
やってくれるのです。

このように、労働はどんどん
機械にも任されていくのです。

100人分の作業を機械1つが
やってくれるなら、100人を
解雇して機械を買った方が
経営的には良いのです。

こんな状態で
もし会社に就職するとしたら、

「本当に好きなことができる仕事」

「自分独自の能力を
 発揮できるところ」

を選ぶより他に、有意義には
働き得なくなっているのです。

私自身、実際に大手の
広告代理店で働きました。

一生懸命、午前様になりながらも、
毎日上司の言うことを聞き、
会社の方針に従って働きました。

その上で、

「あぁ・・・無いな。」

という結論に至りました。

考えてみたら、
本当にやりたいことが
できている人って、
今日本に何%くらいいるのだろう、
って思うのです。

私の大学院時代の友人だって、

多くは研究職を諦めて、
色んな会社を受けて(何十社と。)、
その中で”採用してくれる”会社が
どこかあればいいな、
という状態でした。

自分の好きなところに入る、
とかではなく、会社が
「こいつの能力はうちで役に立つ」
と思った人を雇うわけです。

選ぶ基準はあくまでも
会社の意向です。

たった数か月の就職活動で、
もし一生をその会社に捧げるとしたら、
残りの人生の何十年くらいが
すべて決まるわけです。

冷静に考えると、

「いやいや、おかしくないですか?
 この状況!」

と思わなくてはいけないのです。

しかし私も、

実際にある程度自分で
稼げるようになって、
冷静に今の世界の現実を
分析できるようになるまでは、

「大変だけど、まぁこれが
 現実だよな」
と思い続けていたのです。

皆と同じことをしていた方が
安全だ・・・みたいな。

しかし、こう思ってしまうことが、
実は日本教育の洗脳だったのです。

洗脳と言うとちょっと言い方が
悪いかもしれませんが、

ようは「効率良く労働力を
提供してくれる人間を
作るためには」と考えると、

自然と現在のシステムが
都合が良いのでしょう。

でも、何年もかけて労働力を
作る教育をしておいて、

「いや、でも外国人の方が安いし、
もう社員も沢山いるし別に要らない」

と言われるわけです。

なので会社に入るまでは
必死になって、

「どうか私を雇って下さい。
 御社のために、私の労働力を
 提供するので採用して下さい。」

と言わなければならず、
会社に入ったら入ったで

「どうか私を雇い続けて下さい。
 そうしないと生きていけません。
 私の労働力を提供し続けますので
 お願いします。」

とならないと、
生きていけなくなるのです。

しかも賃金は下がり続けます。

「い い の こ れ で?!」

・・・ということで、
私は会社をやめました。

と同時に、独立することを
決意しました。

考えてみてください。

自由に生きていいんです!

だって労働力がどんどん
求められなくなる時代ですよ?

どんどん要らないって言われていく
時代になるのがあきらかなのに、
あえて会社にお願いして
無理矢理雇ってもらうのであれば、

もっと自分を
必要としてくれている人達を
見つけた方が良いなと思ったのです。

そこで見つけたのが起業という道。

私は生き方の原理原則や
ビジネスの原理原則を
色んな業界に生かし、
一定の実績を出すことができました。

私はこれからも、色んな人に
ビジネスを教えて、
色んな人を自由にして、
色んな選択肢を提示していけたらと
考えています。

今の時代、安定なんて
求めてはダメなのです。

というか、真の安定は、
自分で稼ぐ力を身につけること

だったのです。

これが、私がたどりついた結論です。

というわけで、今日はこの辺で。

次回は、私の”地獄の”
サラリーマン時代のお話です。

第3章 中野究の地獄のサラリーマン時代